GoogleトレンドのRSSはなぜ使えなくなったのか?|代替手段と今後の対策を解説
【記事作成者】 酒井 裕麻 (株式会社Bistro 代表取締役社長)
はじめに
Googleトレンドは、検索されているキーワードの急上昇トピックを把握するために多くの人が利用しているサービスです。
特に、日別の急上昇キーワードを自動取得する手段として、かつては「RSSフィード」が有効でした。
しかし2024年以降、Googleトレンドの日本版RSSフィード(geo=JP
)が突如404エラーを返すようになり、これまで構築されていた自動取得の仕組みが動作しなくなるケースが相次いでいます。
この記事では、GoogleトレンドのRSSがなぜ使えなくなったのか、そして代替手段としてどのような方法があるのかを詳しく解説します。
GoogleトレンドのRSSとは?
かつてGoogleは、各国のトレンド検索情報をRSS形式で公開しており、たとえば日本の急上昇キーワードは以下のURLから取得可能でした。
https://trends.google.co.jp/trends/trendingsearches/daily/rss?geo=JP
このRSSフィードは、GAS(Google Apps Script)やPythonスクリプトから自動で取得・蓄積・分析ができるため、マーケティング担当者やエンジニアの間で広く活用されていました。
RSSが使えなくなった原因
2024年末頃から、上記のRSSフィードにアクセスすると「404 Not Found」が返されるようになり、事実上提供が終了した状態になっています。
Googleから公式なアナウンスはされていませんが、以下のような背景があると推察されます。
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Googleが一部RSS配信機能を段階的に廃止している流れ(Googleニュース等も含む)
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RSS自体の利用者減少に伴う整理
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HTMLページへの一本化とAPI・クラウド連携の推進
この変更により、これまでRSSを活用してトレンド情報を自動で収集していたユーザーは、対応を迫られることになりました。
一部の国ではまだRSSが利用可能
日本(geo=JP
)ではRSSが404となりますが、アメリカ(geo=US
)など一部の地域では、今なおRSSフィードが動作していることも確認されています。
ただし、今後はこれらの地域も同様に廃止される可能性が高いため、長期的な運用を前提とする場合には他の手段への移行を検討すべきです。
代替手段|今後の選択肢は?
RSSが利用できなくなったことで、以下のような代替手段が挙げられます。
1. BigQueryのGoogle Trendsデータセットを活用する
Google Cloudが提供する「BigQuery」の公開データセットの中に、Google Trendsの情報が含まれています。
bigquery-public-data.google_trends.top_rising_terms
このデータセットを利用すれば、日別・国別の急上昇キーワードをSQLで抽出し、Looker Studioやスプレッドシートに連携することが可能です。
2. トレンドデータの手動収集(HTML経由)
GoogleトレンドのWebページ(毎日の検索トレンド)をHTMLベースで取得・解析する方法も考えられます。
ただし、この方法は安定性・保守性・Googleの利用規約上の懸念があるため、あまり推奨はできません。
3. 有料APIの活用
Gtrends APIやSerpApiなど、検索トレンドを取得できる有料APIサービスも存在します。
コストはかかりますが、柔軟かつ継続的なデータ取得が可能です。
今後の方針とまとめ
RSSは長年にわたり便利な手段でしたが、Googleの方針転換によりその役割は終わりを迎えつつあります。
今後は、BigQueryやLooker Studioなどのクラウド分析基盤を活用し、より安定的かつ高度な分析環境に移行することが求められます。
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