SQLの基本 – まずはこれだけ覚えよう【初心者向け基礎ガイド】
【記事作成者】 酒井 裕麻 (株式会社Bistro 代表取締役社長)
SQLとは
SQL(エスキューエル)とは、Structured Query Languageの略で、
データベースに保存された情報を「取得する・更新する・削除する」といった操作を行うためのプログラミング言語です。
Webサービスや業務システム、データ分析など、あらゆる場面でデータを扱う際に欠かせない言語で、
特に ビッグデータ分析やマーケティング分析 で広く利用されています。
(※参考 : SQL – Wikipedia)
本記事の内容
の記事では、SQLの中でも最も使用頻度が高く、基礎として必ず押さえておきたい 4つの基本構文 を、実際のコード例とともにわかりやすく解説します。
-
SELECT:データを取得する
-
FROM:どのテーブルから取得するか指定する
-
WHERE:条件に合うデータだけに絞り込む
-
ORDER BY:結果を並び替える(昇順・降順)
これらはSQL学習の中でも特に利用頻度が高く、
実務でも必ず使う基本構文となるため、まず最初にしっかり理解しておきましょう。

参考記事
SQL SELECT句とFROM句
まずは、SQLでデータ集計を行う際に最も頻繁に使用するSELECT句について説明します。
SELECT句は 「どのデータ項目(カラム)を取得するか」 を指定する構文で、必ず FROM句とセット で使用します。
-
SELECT:取得したいカラムを指定する
-
FROM:どのテーブルからデータを取得するか指定する
SQLは通常、
SELECT(取得する項目) → FROM(取得元のテーブル)
という順番で書き、SELECT句とFROM句の間に実際に抽出したいカラム名を並べて指定します。
また、テーブルに含まれるすべてのカラムを取得したい場合には、
SELECT * を使うことで、全カラムをまとめて抽出することができます。
実際の抽出例
商品別・日別の購入実績データ が
sample_dataというテーブル名でデータベースに保存されているケースを考えてみましょう。
| date | product | sales_amount |
| 2025/11/21 | beef_1 | ¥1,200 |
| 2025/11/21 | beef_2 | ¥800 |
| 2025/11/21 | beef_1 | ¥1,200 |
| 2025/11/21 | beef_1 | ¥1,200 |
| 2025/11/22 | fish_1 | ¥300 |
| 2025/11/22 | beef_3 | ¥3,000 |
| 2025/11/22 | fish_1 | ¥300 |
| 2025/11/22 | fish_1 | ¥300 |
| 2025/11/22 | beef_3 | ¥3,000 |
| 2025/11/23 | fish_2 | ¥1,600 |
このとき、テーブルに含まれるすべてのデータを取得したい場合は、
SELECT *を使って次のように記述します。
SELECT * FROM sample_data
一方、実際にデータ分析を行う場合、データベースには多くのカラム(列)が含まれていることが一般的です。
そのため、分析に使用する必要なカラムだけを抽出することが重要になります。
特定のカラムだけを取得したい場合は、
抽出したいカラム名をカンマ(,)で区切って並べることで、必要な項目だけを取り出すことができます。
(例:日付と金額のみを抽出したい場合)
SELECT date , sales_amount FROM sample_data
このようにSELECT句とFROM句の間で取得するカラムを選択することで、目的に合ったデータのみを抽出することができます。
データの抽出条件設定 (WHERE句)
データ集計を行う際には、特定の期間に絞りたい、特定の商品だけを取得したいなど、
「条件を付けてデータを抽出する」ケースがほとんどです。
そこで使用するのが WHERE句 です。
WHERE句は FROM句のあとに記載し、カラム(列)に対して条件式を指定 することで
必要なデータだけを抽出できます。
例:商品名がbeef_1のデータだけを取得したい場合
SELECT * FROM sample_data WHERE product_1 = 'beef_1'
例 : 日付が2025年11月22日より前のデータだけを取得したい場合
SELECT * FROM sample_data WHERE date <= '2025-11-22'
例 : 日付が2025年11月20日~2025年11月22日のデータだけを取得したい場合
SELECT * FROM sample_data WHERE date BETWEEN '2025-11-20' AND '2025-11-22'
例 : 商品名がbeefから始まるデータだけを取得したい場合
SELECT * FROM sample_data WHERE product LIKE 'beef%'
ここまで、いくつかの条件指定の例を紹介してきましたが、
WHERE句で設定できる条件には、さまざまな種類があります。
分析の目的に応じて適切な条件を使い分けられるよう、
WHERE句の条件設定については別途詳しく解説します。(※近日公開予定)
データの並び替え (ORDER BY句)
実際に集計したデータを確認する際には、金額の高い順に並べたい、日付の古い順に並べたい など、
結果を並び替えて見やすくしたいケースが多くあります。
その際に使用するのが ORDER BY句 です。
ORDER BY句は WHERE句の後(WHERE句がない場合はFROM句の後) に記述し、
指定したカラムに基づいて結果を並び替えることができます。
また、並び替えの順序は以下のように指定します。
-
DESC:降順(大きいもの → 小さいもの)
-
ASC:昇順(小さいもの → 大きいもの)※省略時は昼順がデフォルト
例 : 日付の降順でデータを取得したい場合
SELECT * FROM sample_data ORDER BY date DESC
例 : 商品名がbeefから始まるデータだけを金額の昇順で取得したい場合
SELECT * FROM sample_data WHERE product LIKE 'beef%' ORDER BY sales_amount
ここまでの内容が理解できれば、データ抽出の基礎はしっかり身についています。
次のステップとして、抽出したデータに対して 合計値・平均値・最大値・最小値 などの集計を行う方法を学んでいきましょう。
SQLでは、これらの集計を行うために 集計関数(SUM・AVG・MAX・MIN など) を使用します。
次章では、これらの関数の基本的な使い方について詳しく解説します。(※近日公開予定)
投稿者プロフィール

- 酒井 裕麻株式会社Bistro - 代表取締役社長
-
慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 卒業。
外資系広告代理店 McCann Erickson に新卒で入社し、アナリストとしてマーケティングリサーチからマーケティングミックスモデリング(MMM)まで幅広い分析業務に従事。
その後独立し、データマーケティングカンパニー 株式会社Bistro を設立。
現在は大手通信キャリア、銀行、IT企業、広告代理店など幅広いクライアントに対し、データ分析基盤の構築からBI導入、広告効果分析・最適化まで、データ活用に関する包括的な支援を行っている。
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